01 / 分類の扱い01 / Classification
POWOでは、同じ種に。One species in POWO.
王立植物園キューのデータベースPOWOでは、ホリダをポリゴナに含めています。Kew’s POWO database treats Euphorbia horrida as a synonym of E. polygona.
POWOの記録へView the POWO recordいまさら聞けない / 園芸家のための文献ガイドEuphorbia / A grower’s literature guide
親しんだ「ホリダ」の名前を、文献からたどる。分類の考え方と園芸での呼び方を、21ページにまとめました。Follow the familiar name “horrida” through the literature. A 21-page guide to botanical classification and the names we use as growers.

Before the slides
01 / 分類の扱い01 / Classification
王立植物園キューのデータベースPOWOでは、ホリダをポリゴナに含めています。Kew’s POWO database treats Euphorbia horrida as a synonym of E. polygona.
POWOの記録へView the POWO record02 / 文献の違い02 / Different treatments
同じ種に含めても、その中の自然な違いを「変種」として分ける資料があります。種の名前と変種の名前を分けて読むと、文献ごとの扱いが見えてきます。Authors may place these plants in one species while recognising natural variation as botanical varieties. Distinguishing species names from variety names helps explain the different treatments.
03 / 園芸での提案03 / A suggestion for growers
園芸で親しんだ「ホリダ」の呼び名を大切にしながら、学名・入手時の名前・株の来歴を一緒に残す。資料では、そんな記録の仕方を提案しています。The guide suggests keeping the familiar name “horrida” alongside the scientific name, the name received with the plant, and its known provenance.
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呼び名とラベルの話から、2006年以降の文献の経緯、出典まで。全21ページをここで読めます。From names and labels to the literature since 2006 and its sources. Read all 21 pages here.
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いまさら聞けない ホリダって、 今は ポリゴナなん? 園芸家のための文献ガイド 2026.10.05
まず答えから 2006年には、すでに同じ種の扱い ホリダを、ポリゴナという 一つの種に含めています。 植物の分類では、同じ種として扱う考え方があります。 イギリスの王立植物園が公開しているデータベース、 POWOで、2026年10月5日に確認しました。 02 出典:Bruynsほか(2006)p.410/王立植物園のデータベース(POWO)の記録
植物の名前を調べる入口 POWOって、何を調べるところ? イギリスの王立植物園が公開する、 植物の学名や分布を調べるデータベースです。 POWO = Plants of the World Online 学名や自生地、同じ植物に結びつく別の学名を調べられます。 研究論文や専門書をもとに、情報を更新しています。 分類の扱いは、資料によって異なることがあります。 03 出典:イギリスの王立植物園/POWOの紹介ページ
園芸家として、私たちはこう考える じゃあ、普段の「ホリダ」も変える? 園芸で親しんできた呼び名は、 そのまま使っていいと思います。 株によっては、選抜や交配の来歴もあります。 受け継いだ名前と一緒に、株の情報も残したいところです。 学名の経緯を知ると、いつもの「ホリダ」も少し面白くなる。 04 このページは園芸での呼び方についての提案です。
ラベルと記録の提案 学名まできちんと記録したいときは? 学名・入手名・株の情報を、資料名と一緒に残す。 残しておきたいもの 記録の例 学名(POWOに従う) Euphorbia polygona Haw. 入手時の名前 ユーフォルビア ホリダ 株の来歴・産地 入手元・親株・採取地など 参照資料:POWO 確認日:2026.10.05 記録例です。株の種類を確かめ、判断の根拠も残します。 05
ラベルと記録の提案 交配株や、入手元が分からない株は? 分かっている親や、元の名前を大切に。 来歴は、入手元や親株などの情報のことです。 親の組合せを残す。 交配親が分かる株 他種との交配なら、その情報も残す。 「ホリダとして入手」と記録する。 来歴が分からない株 不明な親や産地は、推測で補わない。 06 一般的な記録の提案。すべての園芸株を交配由来とみなしていません。
名前が決まる仕組み なぜ、ホリダの名前にまとめないの? 名前を公表した年を比べると…… 1803 1860 ポリゴナ ホリダ 同じ種にまとめると判断した場合、 この2つでは、先に公表したポリゴナが優先されます。 07 出典:Bruyns(2012)pp.240–241、POWO 各名称記録
学名の読み方 ところで、後ろの「Haw.」って? Euphorbia polygona Haw. ユーフォルビア・ポリゴナ Haw. は、この学名を公表した Haworth(ハワース)さんの名前の略。 植物の名前の後ろに、人の名前が添えてあるんですね。 08 出典:IPNI(学名と、学名を発表した人を調べるデータベース)
植物の違いと分類 同じ種なら、見た目も全部同じ? 同じ種の中にも、違いはあります。 地域などによって見られる自然な違いを、 種の中で「変種」として分ける場合があります。 変種は、栽培で選び出した「園芸品種」とは別の区分。 どこまで変種に分けるかも、研究者によって異なります。 09 出典:Schnabel(2013)pp.6–7 の議論をもとに説明
2013年の論文から 見た目だけで、きれいに分けられる? 従来の見分け方 論文が示した例外 蜜腺(蜜を出す部分)の色 ホリダ側にも ホリダは緑/ポリゴナは紫 紫色の蜜腺がある 稜(茎の縦の出っ張り)の数 ホリダ側にも20稜に達する例。 ホリダは少ないとされた 数の範囲が重なる 茎の色 野生のポリゴナ側にも ポリゴナは緑とされた 白い茎のものがある こうした例外が、同じ種の中の違いと考える材料に。 10 出典:Schnabel(2013)p.6。従来の区別に対する例外を要約。
文献をたどる 1 2006年の論文には、どう書かれている? ポリゴナの項目に、 「ホリダを含む」と記載。 DNAの一部を比べ、南部アフリカの ユーフォルビアの大きな分類を見直した研究です。 野生のホリダとポリゴナを各地から集めて、 同じ種かどうかを直接確かめた研究ではありません。 ホリダをポリゴナに含める扱いは、 その後の2012年の論文にも引き継がれます。 11 出典:Bruynsほか(2006)p.410、pp.419–420/Bruyns(2012)pp.240–241
文献をたどる 2 2012年は、同じ種の扱いを引き継いで整理 2006年の扱いを引き継ぎ、 ホリダを「シノニム」として掲載。 シノニムは、その分類では同じ植物のまとまりに 含める、別の学名のこと。 学名と、その名前の基準になる標本も整理。 「ホリダ」という名前の記録は残っています。 12 出典:Bruyns(2012)p.217、pp.240–241
文献をたどる 3 2013年は、同じ種の中の違いにも注目 一つの種に含めながら、 自然の違いを「変種」で記録したい。 Schnabel(シュナーベル)は、見た目や野生集団を 比べて、種内の変種を認める整理を提案しました。 同じポリゴナでも、変種を区別する資料があります。 採用する分類によって、学名の書き方も変わります。 13 出典:Schnabel(2013), Euphorbia World 9(2), pp.6–7
ここまでの名前を整理 3つの書き方は、こんな意味。 学名の書き方 その書き方が示す扱い Euphorbia horrida ホリダを独立した種にする E. polygona var. horrida ポリゴナの中の変種にする Euphorbia polygona 種の名前だけを示す var. は「変種」、E. は Euphorbia の略。 種名だけでは、どの変種かまでは分かりません。 資料によって採用する分類が違う場合があります。 14
Schnabel(2022)の分類 ポリゴナには、どんな変種がある? ポリゴナ ニベア(Snowflake) アルバ var. polygona var. nivea var. alba アンビグア ノールスフェルデンシス ヘブドマダリス var. ambigua var. noorsveldensis var. hebdomadalis アノプリア ストリアタ マジョール var. anoplia var. striata var. major エクシリス ホリダ ミノール var. exilis var. horrida var. minor 学名の「Euphorbia polygona」を省略して表記。カナは読み方の目安。 出典:著者公式サイトの紹介・目次にある12変種。POWOとは変種の扱いが異なります。 15
経緯のおさらい 種はまとめても、変種の扱いには違いがある 2006 種の一覧で、ホリダをポリゴナに含める。 同じ種とする扱いを引き継ぎ、 2012 学名と、その基準になる標本を整理。 2013 Schnabelは、変種を分ける見方。 2022 2022年の著者紹介でも、12変種。 ホリダも変種ホリダも、ポリゴナに含める。 今のPOWO 引用文献にBruyns(2022)を挙げる。 2022年の書籍は紹介・目次まで確認。該当本文は未入手です。 16
持ち帰りたいこと まとめ。いつものホリダが、少し面白くなる。 文献 POWOでは、ホリダを 1 ポリゴナという種に含める。 文献 同じ種にまとめると、この2つでは 2 先に公表されたポリゴナが優先。 園芸 園芸で親しんだ「ホリダ」は、 3 そのまま使っていいと思う。 園芸 学名と一緒に、参照資料と 4 株の出どころも残しておく。 1・2は文献の整理。3・4は園芸家としての提案です。 17
資料編 1 読んだ本文と、根拠の場所。 2006 Bruynsほか(論文情報・DOI) 南部アフリカのユーフォルビアの大きな分類を見直した論文。 Taxon 55(2):397–420。該当箇所はp.410、pp.419–420。 著者が公開している本文 2012 Bruyns(論文情報・DOI) 学名と、その名前の基準となる標本などを整理した論文。 Bothalia 42(2):217–245。該当箇所はp.217、pp.240–241。 大学が公開している全文PDF 本文のうち、分類の扱い・研究方法・試料一覧を照合しました。 18
資料編 2 2013年の記載と、2014年の修正は? 2013 Schnabel 見た目による分類の見直し。Euphorbia World 9(2):5–26。 公開部分の5–9ページを確認。変種の記載15ページは未入手。 刊行元が公開している本文の一部(5ページ) 2014 Carter と Schnabel の続報・訂正 名前の基準となる標本を扱う記事。本文は未入手。 変種ホリダの初出は、IPNIが2013年、POWOが2014年。 両年の本文がそろえば、訂正内容と年の違いを検討できます。 訂正の細部は未確認です。本文を入手できれば、さらに調べられます。 19
資料編 3 もっと深く知るための、2022年の2冊 Bruyns『Euphorbia in Southern Africa』 POWOが、ホリダをポリゴナに含める根拠に挙げる本。 本文を読めれば、統合する理由を詳しく検討できます。 該当本文は未入手です。 出版社の書籍・章情報 Schnabel のポリゴナ専門書・改訂版 著者の紹介・目次では、12変種を認めています。 本文を読めれば、変種を分ける理由を検討できます。 確認できたのは紹介・目次まで。本文は未入手です。 著者公式サイトの紹介・目次 書籍の本文を入手できれば、両者の考え方をさらに詳しく比較できます。 20
資料編 4 続報と、現在の名前を調べる入口。 2016 変種ホリダの新しい自生地 Schnabel. Euphorbia World 12(1):23ページから。 南アフリカ、Willowmore近郊のAasvoelberg。 2023 変種 hebdomadalis の分布・形態の更新 Schnabel. Euphorbia World 18(2):50ページから。 両記事とも、掲載と題名を目次で確認。本文は未確認です。 両記事の公式目次 POWO:ホリダ POWO:変種ホリダ 写真:YK BASE 背景:同じ写真をもとにAIでイラスト化 21
スマホでは「テキストで読む」もおすすめです。スライド・本文は日本語です。On a phone, try Read as text for easier reading. Slides and their text are in Japanese.
References / Credits
資料で参照した文献への入口です。詳しい該当ページと確認範囲は、スライド18〜21ページをご覧ください。Start with the sources used in the guide. Slides 18–21 list the relevant pages and what was available for review.
2013年の論文は公開部分を確認。2014年の訂正本文や2022年の書籍の該当本文など、未入手・未確認の部分も資料中に明記しています。分類の説明と園芸での提案は分けて掲載しています。The guide uses the publicly available extract of the 2013 paper. It identifies material that was unavailable or not reviewed, including the 2014 correction text and the relevant sections of the 2022 books. Taxonomic treatments and practical suggestions are presented separately.
写真:YK BASE。スライドの背景は、同じ写真をもとにAIでイラスト化したものです。資料作成日:2026年10月5日。Photography by YK BASE. Slide backgrounds are AI-generated illustrations based on the same photograph. Guide prepared on 5 October 2026.



















